抄録
現在建設中の第二東名高速道路は、既存の東名高速道路より山側に配置されて計画されているため、その道路排水が下流河川の水質に与える影響が懸念される。そこで本研究では、この高速道路排水が上水道水源に流れ込むある地域を対象に、想定される道路排水の健康影響についてリスクアセスメントを行った。取り上げた物質は重金属、PAH、およびTHMである。その結果、ブロモジクロロメタンについて10-5を超える発がん確率が推定された。また、一部の重金属やその他のTHMについても比較的高いリスクが示されたため、今後の流域全体での水質の監視と管理が必要であることが示唆された。