抄録
循環型社会の形成に向けた1つの取り組みである、廃自動車(ELV)を対象としたリサイクルシステムについて、複数主体対応型の環境会計を用いて評価する。ELVは、ASRを中心とした再資源化率向上という目標と共に、回収される鉄スクラップの質が重要な課題となっている。特に自動車の電装系部品に含まれるCuの混入は、鉄スクラップの品位の低下を引き起こす。そこで、より効率的かつ効果的にASRを削減する方法について、既存の技術を元にシナリオを構築した上で、比較評価した。その結果、解体業者での徹底的なCu除去と、破砕後のガス化処理という新たなシナリオを導くと共に、循環型社会の構築を進めるための方策を考察する。