抄録
近年、農村地域の環境問題が顕在化し、特に河川水質の悪化が大きな問題となっている。農村地域での河川水質の汚濁は、農地からの科学肥料の溶脱と家畜ふん尿によって引き起こされている。そこで、本研究では、青森県東部の高瀬川集水域を事例にして、土地利用と畜産が流出水中の水質濃度に及ぼす影響について検討した。流出水の水量と全窒素濃度などが測定された。全窒素濃度は畑草地面積率に比例して増加し、畑草地からの窒素の流出は飼養頭数密度が大きく影響していた。そして、畑草地からの窒素の排出率は10~12%であった。