本研究は、名古屋市に隣接する東海市・大府市と知多市にあるため池を対象に、居住環境資源として整備する際の指針を得る方法を示した。まず、ため池の特性に関する14指標を因子分析し、5つの共通因子を抽出した。次に、因子得点をもとにクラスター分析し、5つの類型を得た。さらに、都市公園として整備および環境整備されたため池の因子得点を分析し、類似した因子得点をもつため池が居住環境資源として整備しうる可能性があると考え、条件を満たすため池を抽出した。さらに、5つの類型と居住環境資源として整備できる可能性をもつため池の関係を見ることによって、農業水利機能と居住環境資源としての機能の整備指針が得られた。