抄録
本研究は,ドイツの風力発電所立地に関するゾーニングの運用実態と課題を,個別事業に対する受容性の向上および計画プロセスの効率化の観点から明らかにした。具体的には,以下の4点が示された。 (1)ゾーニングはその策定過程に環境保護団体および地域住民が適切に参加できていれば,彼らの受容性を向上する。(2)ゾーニングは許認可取得の予見性が高い適地を事業者に明示するという利点がある一方で,事業者の立地選定に要する労力は低減しない。(3)ゾーニングによる影響評価の実施免除や簡素化という運用はなされていないが,情報支援という側面で影響評価を一部効率化している。(4)ゾーニングによって許認可の観点で問題が多い地域を事前に除外することにより,公的機関の許認可意思決定を効率化している。