抄録
タイ日系企業の環境経営の促進要因と環境パフォーマンスの規定要因を,タイ日系企業への質問票調査データを分析して定量的に明らかにした。結果,日本の親会社の環境経営としての環境への取組体制が,タイの顧客・市場の要請の影響を受けつつ,タイ子会社へ移転されていることが認められた。また,環境パフォーマンス水準には,タイ子会社のトップのリーダーシップあるいは環境達成目標の存在が有意に作用していることが明らかになった。個別にみると,法的な規制値のある水質と大気質の管理にはリーダーの規制値遵守の意識・行動が有効であり,法的な規制値のない廃棄物やCO2には自主的な目標設定とそれに基づく組織的取組みが影響を与えている。