主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 279-284
経済発展と環境保全が両立しうるとするエコロジー的近代化理論は,欧州を中心に広く支持されている。本研究では二酸化硫黄(SO2)を対象に,この考え方が先進国のみならずそれ以外の国・地域においても適用可能なのかについて分析した。地域ごとの経済成長とSO2排出量のトレンドを比較し,その変化の要因分析を行った結果,非先進国においても一部地域はデカップリングが進んでいること,大部分の地域においてSO2対策が継続的に進んでいるとみられることから,エコロジー的近代化は非先進国においても進んでいる可能性があることが分かった。他方,SO2排出量の大きなアジアでの今後の推移が,世界的な動向を決定づけるカギとなる。