抄録
本研究では,日本で初めてゼロカーボンパークに登録された乗鞍高原において,宿泊施設の脱炭素化に関する取り組み状況と,そうした取り組みに対する潜在需要の評価を行った。乗鞍高原の多くの宿泊施設は,脱炭素化に向けた取り組みを行っているが,後継者不足などにより,取り組みを加速させづらい状況となっていた。脱炭素化に対する需要評価では,気候変動への意識が高く,アウトドアアクティビティへの興味があり,乗鞍高原への訪問経験がある回答者が脱炭素化の取り組みを高く評価した。これは乗鞍高原の観光客の傾向と一致しており,脱炭素化の取り組みを進めることは,観光客の需要と一致していることが明らかとなった。