2010 年 64 巻 1 号 p. 131-138
副産物利用および二酸化炭素排出量削減の観点から、フライアッシュの有効利用が望まれている。本研究では、セメントに対するフライアッシュの置換率を変化させたモルタルの圧縮強度について基礎的に検討し、モルタルの圧縮強度に対するフライアッシュの結合材としての性能を、セメント有効係数k値で評価した。さらに、混和量や成分により変化するフライアッシュの結合材としての性能を材料選定および配合設計において考慮可能とすることを目的として、フライアッシュ中のSiO2とセメント中のC3Sの比に着目し、既往の研究データを加え、k値との関係を整理した。この結果、SiO2/C3Sによる材齢91日におけるk値の評価の可能性を示した。