セメント・コンクリート論文集
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2025年度セメント・コンクリート論文集編集委員会
セメント化学
セメント硬化体・モルタルの物性
  • 神田 悠人, 栗原 諒, Yang Zhenli, 丸山 一平
    2026 年79 巻1 号 p. 71-79
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究は異なる置換率の非晶質シリカを混合した低熱ポルトランドセメントペーストを作製し、1H-NMR 緩和時間測定を用いたT2緩和時間測定より自由水分布を評価した。また、PONKCS法を用 いた粉末X線回折測定/Rietveld解析により、相組成およびC-S-HのCa/(Al+Si)比を評価した。その後、C-S-H中の自由水分布およびセメントペーストの相組成からC-S-HのInterlayer水まで含む固相密度およびGel水まで含むバルク密度を評価した。その結果、非晶質シリカで置換を行ったことによってCa/(Al+Si)比が低下した時に固相・バルク密度が低下することを定量的に示した。

  • 尾崎 怜至, 久我 龍一郎, 森 寛晃
    2026 年79 巻1 号 p. 80-87
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    石灰石混合セメントの耐硫酸塩性向上を目的に、CaF2をミネラライザーとして添加した高SO3含有クリンカを小型ロータリーキルンで焼成し、クリンカ特性とセメント物性を評価した。CaF2の添加に より C3A量が低下したが、セメント物性への大きな影響は確認されなかった。クリンカSO3の増加によってC2S量が増加し、C3S量とC3A量は低下し、SO3が5.0%までこのような鉱物組成の変化が生じた。クリンカSO3が1.8%の場合、長期強さが改善され、C3S、C3A 量が低下するにも関わらず初期強さは維持された。これは水和発熱速度から、C3S活性がSO3 の固溶によって改善したためと考えられた。クリ ンカSO3の増加に起因する、強さの改善や鉱物組成の変化により耐硫酸塩性の向上が期待された。

  • 福島 悠太, 後藤 卓, 山下 牧生, 新 大軌
    2026 年79 巻1 号 p. 88-94
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    炭酸エステルとして炭酸ジメチル(DMC)またはグリセロールカーボネート(GC)を添加したポルトランドセメント(OPC)および高炉セメント(BB)の水和発熱特性、水和生成物および圧縮強さを評価した。GCを添加した場合にはBBの積算発熱量が増加した。OPCではDMCおよびGCの添加による水和生成物に変わらなかったが、BBにおいてカーボアルミネート相の生成が促進された。圧縮強さはOPCではDMCおよびGCを添加することで低下する傾向が確認されたが、BBにおいてGCの添加により増加 した。これによりセメント種による炭酸エステルの効果の違いや炭酸エステルの種類による反応性の違いが示された。

  • 前田 拓海, 瀧本 翔, 樋口 隆行, 坂井 悦郎
    2026 年79 巻1 号 p. 95-103
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    石灰石微粉末と膨張材を混和したセメント硬化体の膨張および強度発現と水和について検討した。石灰石微粉末の添加率の増加に伴い、大きな膨張が付与された。石灰石微粉末によってエーライトの反応が促進されて加速期が早まった事や、強度発現が緩やかとなった事で、有効膨張期間が長く確保された効果と推察される。また、膨張材と拘束条件の併用により、無拘束かつ混和材無添加と比較して、圧縮強さは石灰石微粉末を10%まで、曲げ強さは20%まで添加した場合でも、概ね同等の強度が確保された。さらに、モノカーボネートが生成されることでエトリンガイトの保持性が向上し、長期的な水和物および膨張性能の安定化に繋がる可能性が示唆された。

  • 近藤 早瑛, 扇 嘉史, 細川 佳史
    2026 年79 巻1 号 p. 104-112
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    石灰石 - 焼成粘土セメント(LK) の設計について、焼成カオリンのキャラクター( 純度、ブレーン比表面積 )、LK 中の焼成カオリン(MK)比率、石灰石(LSP)比率、SO3 量、基材セメントのC3S比率を因子 として、応答曲面法を中心に検討した。得られた応答局面法によるモデルから、圧縮強さが高炉セメントB 種(BB)同等であり、CO2排出量が少ないセメント配合として、C3S=61.8%、SO3=2.0% のもと、MK=27~30%、LSP=14~16%を導出した。この配合をもとにしたLK をコンクリートにて評価した結果、圧縮強度およびCO2排出量は BBと同等であった。

  • Qihang TAN, Luge CHENG, Ryo KURIHARA, Ippei MARUYAMA
    2026 年79 巻1 号 p. 113-121
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    This study investigates the effects of demolding age and drying period on the early-age hydration behavior of cement paste, with a focus on depth-dependent moisture evolution and phase transformation. A combination of single-sided 1 H NMR relaxometry and micro-XRD mapping measurement were employed to monitor moisture content and quantify hydration products at different depths. Specimens were categorized by demolding age and subjected to controlled drying conditions (60%RH, 20℃). The results show that shorter demolding ages more significant moisture loss and a lower degree of hydration within the shallow region (0-5mm)under identical hydration durations. In comparison, hydration in the deep regions (9-15mm)was scarcely influenced, indicating that the influence of drying gradually weakens with increasing depth. Extended drying periods suppress hydration reactions in the shallow region, with the inhibitory effect being more pronounced at shorter demolding ages. Under the present experimental conditions (20℃, 60%RH), five days is the optimal time for demolding. Specimens with longer demolding ages develop a denser C-S-H structure, which enhances moisture retention and lessens the suppression of hydration reactions due to drying.

  • 井田 宥文, 栗原 諒, 五十嵐 豪, 丸山 一平
    2026 年79 巻1 号 p. 122-130
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究では、長石砂岩を細骨材に用いた細骨材セメント質量比(S/C)0.5 および 2.0 のモルタルを作製し、1100℃ から1200℃の高温加熱実験を行い、冷却後に X 線CT 撮影、XRD/Rietveld解析、SEM-EDS による元素分布分析を実施した。X 線 CT 画像の分析から、1100℃ 以上で細骨材内部の一部 が溶融したテクスチャが形成されるとともに、骨材周囲に電子密度の高い均質なテクスチャが新たに形成された。これは、SEM-EDS定量分析と XRD/Rietveld解析から、主に細骨材の溶融によって生じたア ルミノシリケートガラスが骨材周囲に溶出するとともに、セメントペースト相のCaと反応してゲーレナイトが析出することによって形成されると考えられた。

  • 瀧川 瑞季, Kakpo Kenneth G.C.A., 徳重 英信, 伊達 重之
    2026 年79 巻1 号 p. 131-138
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    既往の研究において、化学混和剤に熱刺激を施すことで化学混和剤中のポリマーの見かけの大きさ が変化し、施工性が向上することが確認されている。しかし、フライアッシュを結合材の一部に用いた場 合についての検討はされていない。本研究ではフライアッシュを混和したモルタルについて、化学混和剤 への熱刺激効果によるフレッシュ特性および硬化特性への影響を検討した。その結果、流動性や塑性粘度は若干の向上効果を示し、練混ぜ時の負荷が低減されたことが明らかとなった。しかし、材齢の経過に伴い、圧縮強度が低下したことから、硬化特性については詳細な検討が必要である。

  • 中嶋 達希, Aili Abudushalamu, 丸山 一平, 五十嵐 豪
    2026 年79 巻1 号 p. 139-146
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    普通ポルトランドセメント硬化体およびフライアッシュを内割で 20%mass 置換したセメント硬化体を対象に、1200℃まで昇温する過程の熱ひずみ挙動について検討した。粉末X 線回折法、フーリエ変換赤外分光光度計、熱重量分析の結果をもとに、フライアッシュの有無による熱ひずみ挙動の差異について考察を行った。熱膨張計の結果から、3 つの温度領域で熱ひずみ挙動に差異が認められた。これ らの差異は、フライアッシュの混和により生成されたCa/(Si+Al)比の異なるケイ酸カルシウム水和物(C-A-S-H) の熱ひずみ挙動の差異や、平均化学組成の差異によって煆焼時の相転移の変化が生じたためであると考えられた。

  • Haoran XIA, Luge CHENG, Yuqi REN, Ippei MARUYAMA
    2026 年79 巻1 号 p. 147-154
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    The compressive strength of the low heat cement paste with replacement ratio by weight of silicon dioxide particles in 0%, 19%, 26% and 41% of and water-to-binder ratio (w/b)of 0.42 were investigated at 1, 3, 7, 14, 28, 56 and 91 days of hydration. The reaction degrees of low heat cement and amorphous silicon dioxide were calculated from quantification results by X-ray diffraction with PONKCS method and selective dissolution method. The results indicate that the filler effect caused by silicon dioxide accelerated the early hydrate on rate of low heat cement, especially earlier than 14 days. A 26% replacement of silicon dioxide was found to provide the greatest improvement in the hydration process. After 91 days of hydration, larger silicon dioxide particles can also reach a reaction level of about 20%. As the silicon dioxide content increased, the compressive strength of the paste gradually decreased, but as hydration progressed, the trend of strength loss gradually decreased, indicating the pozzolanic reaction of silicon dioxide.

  • 池田 響, 花岡 大伸, 小林 聖
    2026 年79 巻1 号 p. 155-163
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    生産性向上およびカーボンニュートラルの実現に向けCO2吸収モルタルを用いた3Dプリンティング技術の開発が進められている。本研究では、CO2吸収モルタルを用いて3Dプリンティングした積層体を用いて、異方性も含めた力学特性、乾湿繰返し作用が層間付着強度に及ぼす影響およびスケーリン グ抵抗性について評価した。その結果、圧縮強度は積層方向に対して垂直に載荷した場合が最も大きく、曲げ強度は積層方向による差は見られなかった。引張強度において異方性が確認された。また、乾湿繰 返し作用により表面に微細ひび割れが生じたものの、層間付着強度への影響は小さかった。さらに、CO2吸収モルタルは炭酸化養生による表層を緻密化し、スケーリング抵抗性が向上することが明らかになった。

  • 松浪 康行, 李 春鶴, 栖原 健太郎, 辻 幸和
    2026 年79 巻1 号 p. 164-172
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/31
    ジャーナル フリー

    コンクリートやレンガなどの組積造建造物には、耐震性の向上のために補強鉄筋が目地モルタルとともに用いられる。しかし、その補強鉄筋の耐久性を実験的かつ解析的に検討した結果は、ほとんど報告されていない。本研究は、日本製ポルトランドセメントだけでなく、組積造建造物が多く存在するネパール製セメントを用いた目地モルタルの圧縮強度を比較した。その後、被覆された補強鉄筋の腐食性状を検 討するために、目地モルタルの酸素拡散係数の実験結果を報告するとともに、目地モルタルの酸素拡散係数、補強鉄筋のかぶり位置、径、腐食速度を解析パラメータとして、表面から拡散してくる酸素が補強鉄筋の腐食により一部消費される量を考慮した酸素濃度の分布を解析的に考察した結果を報告する。

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