2010 年 64 巻 1 号 p. 501-508
吹付けモルタルの材料品質や製造状態の管理に用いられるフロー値やスランプは、コンシステンシー(変形抵抗性)の目安は評価できるが、鋭敏さに欠ける。また、パイプやノズル通過時の圧送性や吹付け時のリバウンドやダレなどの施工性は評価できない。そのため、材料品質だけでなく施工性評価にも適用できる新たな評価指標の設定が望まれている。本研究ではポリマーセメントモルタル(PCM)の評価に4枚の羽根を有する回転翼型粘度計を用いた。そして、現場における材料品質評価に適する試験条件を提案した。また、羽根の回転角度に対するせん断応力の変化曲線(τ-θ曲線)がPCMの銘柄や練混ぜ後の経過時間などで異なることに着目し、τ-θ曲線の特異点が評価指標となることを示した。