2011 年 65 巻 1 号 p. 392-399
セメント硬化体の処女乾燥・再吸着時の乾燥収縮率を予測するために、円筒形細孔のみが存在するシリカ系材料MCM-41においてPellenqらが構築したアルゴン吸脱着モデルを、細孔径分布を持つセメント硬化体に適用することで、セメント硬化体の水蒸気吸脱着等温線モデルの構築を目指した。結果として、Pellenqモデルを連結した細孔へ拡張することができるように修正することで、任意の湿度環境下における硬化セメントペースト内部の本質的な水分移動を評価可能であることが明らかとなった。また、収縮低減剤を添加した場合には濡れ性を考慮することで定量的に予測できることを明らかにした。