2012 年 66 巻 1 号 p. 398-405
シリカフュームを混和した超高強度コンクリートの内在塩化物による鉄筋腐食抵抗性をひび割れの有無を含めて促進試験で評価した。その結果、水結合材比が12%の超高強度コンクリートでは、防せい剤を用いた水結合材比が60%のコンクリートと同等以上の防せい性能を有した。また、幅0.6mm以下のひび割れが生じていても、防せい剤を用いた水結合材比が55%のコンクリートと同等の鉄筋腐食抵抗性を有した。シリカフュームを混和した超高強度コンクリートが一般的な強度のコンクリートよりも鉄筋腐食抵抗性が優れるのは、透水性、透気性および塩化物イオンの浸透性など、鉄筋の腐食要因物質の透過性が極めて低く、腐食の進行を抑制するためと考えられる。