セメント・コンクリート論文集
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耐久性
内在塩あるいは外来塩の蓄積がコンクリートのスケーリング抵抗性に及ぼす影響
子田 康弘佐久間 正明岩城 一郎
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2012 年 66 巻 1 号 p. 422-428

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抄録

凍結防止剤としてNaClが散布されるとコンクリートのスケーリングを促進することが知られている。一方、実コンクリート構造物は内在塩あるいは外来塩が蓄積された状態で凍結融解作用を受けることが考えられるが、この種の条件下におけるコンクリートのスケーリング抵抗性については未解明な点が多い。そこで本研究では、凍結融解試験に先立ち内在塩あるいは外来塩を蓄積させた供試体を準備し、試験面表層の塩分濃度がスケーリングに及ぼす影響を評価した。その結果、スケーリングは、凍結防止剤を含む水による凍結融解作用によって、Non-AEコンクリートでかつ内在塩が蓄積する場合と、高濃度の外来塩が蓄積する場合に、塩分が蓄積しない場合に比べ顕在化することを明らかにした。

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