2012 年 66 巻 1 号 p. 515-522
プレキャストコンクリート製造を模擬した熱養生履歴がシリカフューム(SF)を添加した超高強度セメント硬化体において、水和反応およびケイ酸構造へ与える影響について圧縮強度、粉末X線回折(XRD)/リートベルト法による水和反応解析、SFの反応率、トリメチルシリル(TMS)誘導体化法によるC-S-Hのケイ酸鎖の重合の観点から考察した。超高強度コンクリートで用いられるW/B=15%配合の水和反応は、最高温度90℃養生を行った場合、前置時間を凝結時間よりも長く設定する必要があり、SFおよびセメントの水和反応が材齢91日の20℃封緘養生と比較して促進し、C-S-Hのケイ酸鎖の重合が低下する事を確認した。