2013 年 67 巻 1 号 p. 165-170
ポルトランドセメント(PC)-アルミナセメント(AC)-無水石膏-高炉スラグ微粉末の四成分系セメント材料の長さ変化の温度依存性に及ぼすPC/AC比の影響を確認した。低温(5℃)、高PC/AC比の条件が重なることで、膨張量は著しく大きくなることが分かった。膨張量が大きかった試料では、膨張量が小さかった試料と比較して微細なエトリンガイトが生成され、一部は粒子の周りに生成されていた。水和解析の結果、低温(5℃)、高PC/AC比では、AC由来のモノカルシウムアルミネートの反応が遅延し、PC由来のエーライトの反応が促進することが膨張量増大の原因であると推察された。