2014 年 68 巻 1 号 p. 186-191
γ-2CaO・SiO2(γ-C2S)と、γ-C2Sを混和したセメント硬化体の炭酸化挙動を比較検討した。γ-C2Sを炭酸化する際に水を添加することで、28日における反応率は4%から33%に増加し、更に継続的に水を供給することで、71%まで増加した。一方、セメント硬化体中のγ-C2Sは、水の供給を行っていないにも関わらず、継続的に炭酸化が進行し、反応率は促進91日で75%まで増加した。セメント硬化体の細孔中に存在する水や、セメント水和物が炭酸化して分解する際に放出される水によってγ-C2Sの炭酸化が効果的に進行すると考察した。γ-C2SをOPCと併用することが、γ-C2Sの炭酸化を促進する効果的な組み合わせであることが明らかになった。