抄録
本研究では東日本大震災からの復興に資するコンクリートの提案を念頭に、塩分環境下の耐凍害性について、空気量およびコンクリートの品質変動を補う目的でフライアッシュの混和の影響を検討した。実験では、空気量、フライアッシュの置換方法と置換率、高炉スラグ微粉末の併用を実験水準にし、凍結融解試験と気泡組織測定を実施した。その結果、空気量3%以上は気泡間隔係数とスケーリング量に高い相関があること、水セメント比45%で空気量を6%程度、さらにフライアッシュを外割置換したコンクリートが塩分環境下で優れた耐凍害性を示すこと、また、空気量の増加による耐凍害性の向上は微細な連行空気量の増加が重要であることを明らかにした。