2015 年 69 巻 1 号 p. 679-686
セメントの廃棄物活用による環境への貢献を定量化するための手法構築を目的に、リサイクル率を反映した廃棄物指標により各種セメントの評価を行った。廃棄物指標による評価結果はポルトランドセメント(PC)>フライアッシュセメントB種(FB)>高炉セメントB種(BB)の順に大きく、廃棄物活用による環境への貢献はPCが最も大きいと評価された。また、日本版被害算定型影響評価手法(LIME2)の統合化評価結果においても、廃棄物活用による環境への貢献はPC>FB>BBの順に大きいものと評価された。両手法による評価値は相対的に高い一致性を示し、リサイクル率を反映した廃棄物指標は、セメントの廃棄物活用による環境への貢献を定量化するための指標として有効である可能性が示唆された。