2023 年 77 巻 1 号 p. 248-256
本研究では、電磁パルス法を用いた接着系あと施工アンカー部の施工完成度の評価に有効な評価指標を解析的に把握することを目的とした。まず土木学会の指針を参考にして施工完成度の高いアンカー部を定義し、母材コンクリートの弾性係数をパラメータとして、評価に有効な評価指標を解析的に検討した。動磁場解析より得られた磁場分布に基づき電磁力を分布入力し、衝撃応答解析を行うことでボルト、母材コンクリートの振動応答を算出した。その結果、ボルト頭部で受信した場合の周波数成分比は、コンクリートの弾性係数E=25kN/mm2以上でほぼ一定の値を示し、充填不良を有する場合とも明確な差があることから、施工完成度評価の指標として有効であることを明らかにした。