セメント・コンクリート論文集
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耐久性
塩害とASRの複合劣化が生じたコンクリート中鉄筋の腐食速度の評価とFAを用いた抑制策の提案
菅原 典大宮里 心一斎藤 豪鈴木 一帆
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2023 年 77 巻 1 号 p. 344-351

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抄録

塩害では鉄筋の不働態皮膜が破壊し、腐食が進行する。またアルカリシリカ反応(ASR)では骨材が膨張し、ひび割れが生じる。またそれらの予防策としてフライアッシュ(FA)の混和が挙げられる。本研究では、両者の複合劣化を対象に、コンクリート内部に埋設された鉄筋の腐食速度、およびFA混和の防食効果を評価した。すなわち、塩害の単独劣化および塩害とASRの複合劣化が生じ、加えてFA混和した供試体を湿潤気中に暴露し、膨張率や鉄筋腐食速度を測定した。また、ひび割れ観察、ゲルフルオレッセンス法、細孔径分布、コンクリート抵抗およびカソード分極曲線により、塩害とASRおよびFA混和が鉄筋腐食に及ぼす影響を考察した。以上の結果、水が直接に供給されない環境では、ASRゲルにより酸素供給が阻害され腐食速度が抑制されること、FA混和によってコンクリート組織が致密になり腐食速度が抑制されることを明らかにした。

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