異なる温度条件下で炭酸化させたセメントスラリー中の固形物の形態を調査し、それら固形物を混合したセメント組成物の流動性を評価した。CO2を吹き込むことで炭酸化したセメントスラリー固形物の粒子形態は温度によって異なり、20℃および30℃ではクリンカ粒子を覆うように菱面状のカルサイトが層状に析出し、クリンカ粒子はシリカゲルとして残存していた。10℃では立方状のカルサイトとクリンカ粒子が独立し分散していた。これらの固形物を混合したセメントペーストおよびモルタル試験では、10℃製造のスラリー固形物を混合した方が20℃、30℃での固形物を混合した場合より良好な流動性を示した。