セメント・コンクリート論文集
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環境・リサイクル
CO2固定型混和材の炭酸化機構と炭酸化反応に及ぼす相対湿度の影響
浅野 洋斗吉田 夏樹森 泰一郎新 大軌
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2023 年 77 巻 1 号 p. 508-515

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抄録

本研究では、相対湿度がCO2固定型混和材(γ-C2Sを主成分とする特殊混和材)の炭酸化速度および生成物に及ぼす影響を検討した。同混和材は、水とCO2が共存すると活性が高くなる。促進炭酸化試験において、低湿度(11%RH)では炭酸化は進行せず、中湿度(44%、66%RH)、高湿度(85%、95%RH)では炭酸化の進行が認められ、湿度が高くなるほど炭酸化速度は上昇した。炭酸化による生成物として高湿度では結晶性のカルサイト及びバテライトが同定された。一方、中湿度では結晶性のCaCO3は同定されず、FT-IR及びTG-MSの結果から、バテライト又は非晶質CaCO3(ACC)のいずれかが生成したと推察された。

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