日本セトロジー研究
Online ISSN : 2434-1347
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2006年中における佐渡海峡の新潟~両津航路船(佐渡汽船)による鯨類目撃記録
本間 義治古川原 芳明
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 18 巻 p. 9-12

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抄録

前報(本間・古川原,2007)に引き続き佐渡海峡の新潟~両津間における佐渡汽船ジェットフォイル並びにカーフェリーによる鯨類目視記録を、2006年分につき整理してみた。前年(2005)より多い36回目撃されたが、複数個体は7回で、他はすべて単独体であった。11回がカーフェリー、25回がジェットフォイルで観察された。2006年の目撃件数は、例年より早く3月に突出したピークがみられたが、以前には記録されたことが無かった12月にもジェットフォイルにより2回目撃があり、注目された。時間帯は午前は10時、午後は2時頃が多かった。同一日における複数回目撃は、6回であったが、就航時間と目撃地点を検討したところ、それぞれ別個体を記録したことが分かった。遊泳方向は16例記録されたが、北上が8例、南下が4例とその他で、夏~秋は北上、春先は南下する傾向がうかがえた。2006年中には衝突事故がなく、監視体制の強化や予防措置の効果が現れたのかもしれない。

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© 2008 日本セトロジー研究会
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