2013 年 23 巻 p. 23-27
従前に発表したデータ以降の、2010年5月~2012年5月における佐渡汽船直江津~小木航路および新潟県沿岸・沖合における海生哺乳類の漂着・混獲・目撃等の記録をとりまとめた。沿岸での漂着・目撃は27件(カマイルカ6件、ハナゴンドウ4件、オウギハクジラ5件、ミンククジラ4件、キタオットセイ7件、ゴマフアザラシ1件)であった。混獲されたミンククジラ4個体はいずれも佐渡島両津湾の大型定置網に入ったものであった。2012年にはキタオットセイの沿岸および直江津~小木航路での海鳥観察の際の目撃例が例年になく多かった。同年には柏崎市沿岸に2件のオウギハクジラ新生仔の漂着があり、過去の記録と合わせると、柏崎沖も本種の出産・成育に重要なかかわりのある可能性が示唆された。