日本先天異常学会会報
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妊娠ハツカネズミへのvitamin A過剰投与が胎仔におよぼす影響 : 2 : 生存胎仔の外形異常I
江崎 孝三郎
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1964 年 4 巻 1 号 p. 35-42

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抄録
1. ICR-JCL妊娠ハツカネズミに水性vitamin A 5,000I.U.,10,000I.U., 15,000I.U. および20,000I.U.のいずれかの量を妊娠第7日より妊娠第13日までのいずれかの時期に一回腹腔内注射した.2.頭部の外形異常としては外脳症,小頭症および脳ヘルニアが,頭部の外形異常としては口蓋破裂,眼球突出症をともなう耳頭症類似の異常(小顎症,無顎症,下顎肥厚,無耳症,小耳症,無口症,小口症など),眼瞼閉鎖不全および口吻の短縮が,体躯および尾部の異常としては腹壁ヘルニア,鎖肛,屈,曲尾,短尾および無尾が観察された.3.vitamin Aの投与量および投与時期と胎仔の異常の形態およびその出現頻度との関係は複雑で,実験に際して投与量および投与時を深重に考慮しなければならないことが判明した.
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© 1964 日本先天異常学会
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