日本先天異常学会会報
Online ISSN : 2433-1503
Print ISSN : 0037-2285
妊娠マウスに連続投与したamphetamineの胎仔のthio-TEPA催奇形感受性の及ぼす影響
安田 峯生有行 史男西村 秀雄
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 7 巻 2 号 p. 66-73

詳細
抄録

ICR-JCL系マウスの妊娠全期間を通じ硫酸ampehamine 50mg/kgを経口投与し,さらに妊娠10日にtriethylene thiophosphoramide(thio-TEPA)3mg/kgを腹腔内に投与してaこの催奇形効果がamphetamineにより影響を受けるか否かを検索した.比較のためamphetamineのみ,またはthio-TEPAのみを受けた動物と,無処置対照群とを用意した.母動物については毎日体重,水・餌摂取量を測定したが,amphetamineの減食作用は投与開始後2日間認められたのみであった.妊娠18日に母体を殺して胎仔を観察した結果,amphetamine単独適用群で軽度の胎仔死亡率の上昇,thio-TEPA単独群およびamphetamine+thio-TEPA群で生仔平均体重の減少が認められたが,各群の一腹仔数には差なく,また,その催奇形閾値に近いと思われるthio-TEPA 3mg/kg量の催奇形効果はamphetamineにより影響されなかった.

著者関連情報
© 1967 日本先天異常学会
前の記事 次の記事
feedback
Top