化学生物総合管理
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特集
細菌の生物活性を利用したカキからのノロウイルス検査法の改良
秋場 哲哉尾畑 浩魅林 志直森 功次野口 やよい永野 美由紀仲真 晶子甲斐 明美矢野 一好
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2010 年 6 巻 1 号 p. 7-14

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抄録
ウイルス性食中毒事件関連の検査において、推定原因食品からのノロウイルス検出が困難である要因の一つに、検査対象食品に含まれている食品由来の物質が、目的遺伝子の抽出あるいはPCR反応に対する妨害作用を及ぼしている可能性が考えられる。我々はこのような妨害物質の除去方法として細菌の生物活性を利用した前処理法を検討した。その結果、カキ乳剤に添加したノロウイルスの回収には、Proteus vulgarisを用いてカキ乳剤を処理した場合に最も高いウイルス回収率が得られた。厚生労働省通知による手法で得られた回収率の平均は、添加したノロウイルス GI/8、 GII/4とも0.2%であったのに対し、P. vulgarisを用いて処理を行った場合にはそれぞれ45.9%、21.3%に向上した。
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© 2010 特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
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