CHEMOTHERAPY
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抗菌剤少量投与法の薬効の動力学的観察
CefatrizineとCephalexinの急性単純性膀胱炎治療における比較
鈴木 恵三名出 頼男藤田 民夫置塩 則彦浅野 晴好山越 剛岡田 敬司
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1980 年 28 巻 2 号 p. 115-128

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抄録

Cefatrizine (CFT) とCephalexin (CEX) の試験管内抗菌力の差を, 臨床的に検討した。対象疾患は女子のE. coliに起因する急性単純性膀胱炎で, 初診時にCFTまたはCEXのいずれかの薬剤を1回25mg投与し, 8時間, 24時間後の尿中生菌数を測定した。試験方法は, open study (CFT, CEX群ともにn=8) とdouble blind study (CFT群n=10, CEX群n=11) によって行い, 結果を推計学的に検討した。基礎的検討としては, 両剤を25mg投与した時の尿中濃度と回収率の測定と, 被検対象から分離した細菌の感受性を検討した。
この結果, 分離細菌の試験管内抗菌力は, CFTはCEXに比較して2~8倍優れていた。尿中排泄は, 最高濃度と8時間までの回収率に差を認めなかった。臨床成績では, CFTが, CEXに比較しopen study, double blind studyともに8時間, 24時間後の細菌消失効果が推計学的に有意に優った。

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