CHEMOTHERAPY
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Cefotaximeのウサギにおける薬動力学的研究
重栖 幹夫富樫 修藤本 和巳
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1980 年 28 巻 Supplement1 号 p. 116-121

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抄録

ウサギにCefotaximeを静脈内投与 (20mg/kg) し, 高速液体クロマトグラフィー法またはbioassay法により, Cefotaximeの薬動力学的検討を行なった。
Cefotaximeは, 半減期57.4分で血漿中から消失した。血漿中には母化合物以外にdesacetyl体 (RU 628) も検出されたが, その濃度は, 母化合物に比べるとはるかに低濃度であった。このRU628を瀞脈内に投与した時の血漿中半減期は約11分で, 母化合物に比べるとその消失速度は著しく大きかった。
Cefotaximeは組織へ良好に移行し, 腎では最も高い濃度に, 肺, 心でも他の臓器に比して高濃度に検出された。しかし, 脳への移行はきわめて少なかった。
体外への排泄は, 主として泌尿器系を介して行なわれ, 投与量の約75%が, 投与後6時間以内に尿中にCefotaxime: およびRU 628として回収された。胆汁中へは, 投与後6時間以内に, 投与量のわずか0.24%が, CefotaximeおよびRU628として回収されたにすぎなかった。尿中へ排泄されたCefotaximeとRU 628の量的比率は, 約1: 3.3とRU 628の方が大きく, 胆汁中にはCefotaximeとRU 628はほぼ同量排泄された。

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© 社団法人日本化学療法学会
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