CHEMOTHERAPY
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Cefroxadine (CGP-9000) に関する基礎的, 臨床的研究
大久保 滉岡本 緩子右馬 文彦上田 良弘前原 敬悟牧野 純子
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1980 年 28 巻 Supplement3 号 p. 251-259

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抄録

スイス, チバガイギー社で新しく開発されたCemxadine (CGP-9000, CXD) は従来の経口Cephalosporinに劣らぬ抗菌力を持ち, 感染防禦効果はCEXより優れるとされているが, とれにつき基礎的, 臨床的検討を行った.
抗菌力ではS.aureusに対しCefadroxilより劣るがCEXとはほぼ同等である. E.coliおよびKlebsiellaに対してはCEXおよびCefadmilと大差ないが, 菌量を少なくするとCXDはこれら抗生剤より優れたMICを示す. P.mirabilisでもCXDはCEXないしCefadroxilと大差のない抗菌力を示した.
健康成人4名にCXDの1回500mgを食直後および食間に投与し, その血中濃度をcross overで比較した結果, 食後投与では食間投与時よりややピークの時間は遅れるが, その高さは両者に大差なく, しかも食後投与の方が持続がやや長い. 尿中排泄率も両者に大差を認めなかった.
呼吸器感染症9例, 尿路感染症3例計12例に本剤を1日750mg投与してその効果を検討した結果, 食後および食間投与の別なく, 全例有効であった. なお副作用と思われるものは1例にもみられなかった.

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© 社団法人日本化学療法学会
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