CHEMOTHERAPY
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Ceftizoximeの泌尿器科領域における検討
北野 太路畑地 康助藤井 元広仁平 寛巳中原 満白石 恒雄安川 明廣碓井 亜中野 博
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1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 756-766

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抄録

Ceftizoximeについて基礎的ならびに臨床的検討を行なった。
Ceftizoximeの体内動態に関して, 症例の腎機能障害の程度を内因性クレアチニン・クリアランス (以下Ccr) を指標として高度機能障害群 (Ccr<30ml/min), 中等度機能障害群 (30≦ Ccr <70ml/min), 軽度機能障害および正常群 (Ccr≧70ml/min) の3群に分けて検討した。腎機能障害の高度のものほど血中濃度半減期は延長し, かつ尿中回収率も低下の傾向であった。
抗菌力については, 尿路感染症から分離したE.coli50株, Serratia21株について GM, CEZのMICを測定し, Ceftizoximeのそれと比較した。E.coli, Serratiaの両菌株においてCeftizoximeのほうがGM, CEZよりMICが低く, 抗菌力がすぐれていた。
複雑性尿路感染症41例に本剤1回500mg点滴静注, 1日2回, 5日間投与により臨床効果を検討した結果, 著効12例, 有効17例, 無効12例で, 有効率は71%であった。
投与前分離した菌株49株中41株 (84%) が消失し, 8株が残存した。E.coli15株は全株消失し, P.aeruginosa9株は5株 (56%) が消失した。Serratia, P. vulgaris, P. rettgeri, Klebsiella, Enterobacter, Citrobacter の16株中15株 (94%) が消失した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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