CHEMOTHERAPY
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Ceftizoximeの産婦人科領域における臨床応用
松田 静治清田 明憲丹野 幹彦柏倉 高国保 健太郎
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1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 812-820

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抄録

新注射用cephalosporin剤, Ceftizeximeの旅婦人科領域における基礎的検討として, 各種病巣由来のグラム陰性桿菌, グラム陽性球菌について抗菌力の検肘を行なうほか, 母児間移行の面では本剤1g静注後の母体血清, 臍帯血清および羊水中濃度を18例につき検討した.グラム陰性桿菌に対する木剤の抗菌力はCEZより強く, E. coli, Klebsiella, Proteus mirabilisにおいて0.09μg/ml以下のMICのものが大部分を占めた。また, 木剤の母児間移行も良好で, ピーク値は臍帯血清中濃度では1~2時間, 羊水中濃度では3~4時間後に認められ, いずれも約26μg/ml程度の高い移行濃度が得られた後, 漸減傾向を示した。また, 本剤の臨床応用の成績では, 骨盤内感染症8例, 尿路感染症6例など計16例に, 1日1~2gを筋注, 静注および点滴静注にて投与し, 著効, 有効あわせて14例 (有効率87.5%) の成績が得られた。副作用としては特記すべきものを認めなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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