CHEMOTHERAPY
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Ceftizoxime (CZX) に関する臨床的研究
青河 寛次皆川 正雄柄川 二郎山路 邦彦杉山 陽子
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1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 845-862

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抄録

抗生物質Ceftizexime (CZX) を臨床評価するため, その抗菌作用, 吸収排泄ならびに臨床成績を検討して, 以下の所見を得た。
1. 産婦人科領域で臨床分離した諸種細菌215株の感受性分布を測定したところ, Klebsiella sp., E. coliは1.56~3.12μg/mlに71.9, 80.0%が位置し, CEZ, CTMに比べさらに強い抗菌力を示した。P. mirabilis, P. vulgaris, Bacteroides sp.などにも良好なMICを得たが, P. aeruginosaは耐性である。また, S. aureusにはCEZ, CTMよりもやや鈍い感受性を呈した。
2. CZXは健康婦人, 妊婦においても, 速やかに高い血中濃度を呈し, 6時間前後まで血中に認められるが, Ccrに相応する傾向がある。その尿中排泄率 (0~6時間) は約80%である。
3. 産婦人科領域の諸感染25例に, 本剤0.5~4.0g/日, 4~13日問投与したところ, 子宮付属器炎, 骨盤腹膜炎, て重篤なものは経験せず, また, 投与前後における臨床検査で異常な推移はなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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