CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) に関する研究
副島 林造田野 吉彦二木 芳人松島 敏春溝口 大輔加藤 収
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 513-520

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抄録

新しい半合成cephalosporin剤であるcefoperazone (CPZ, T-1551) について, 基礎的, 臨床的検討を行なった。
臨床分離Stapkylococcus aureusに対する抗菌力はCEZ, CERに比し, 2~3段階劣る成績であったが, E. coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilisに対するMICのピーク値は, 106接種の場合, それぞれ0.20μg/ml, 0.39μg/mI, 1.56μg/mlでありCEZより優れていた。さらにProteus vulgaris, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaに対してもCEZよりはるかに優れた抗菌力を示し, 106接種の場合MICのピーク値は, それぞれ0.78μg/ml, 1.56μg/mlおよび12.5μg/mlであった。その他. Pseudomoms cepaciaに対してもかなり優れた抗菌力を示した。
呼吸器感染症患者9例, 敗血症患者1例を対象として, 主として1回2.Ogを1日2回点滴静注し, 4~16日間使用して臨床効果を検討した。効果判定の可能であった9例中, 有効7例, やや有効1例, 無効1例であった。全例に副作用や臨床検査値の異常を呈する症例は認められず, 有用性の高い薬剤であると考えられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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