CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するCeftizoxime (CZX) とCefazolinの薬効比較試験成績 (第2報)
Ceftizpxime 2gとCefazolin 4gのWell Controlled Studyによる比較
塩田 憲三他
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1981 年 29 巻 9 号 p. 994-1043

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抄録

呼吸器感染症に対するCeftizoxime (FK749, 以下CZXと略す) とCefazolin (以下CEZと略す) の治療効果ならびに副作用の客観的な比較検討を目的として, 全国33施設において慢性呼吸器感染症あるいは肺炎患者230例にCZX1日2gあるいはCEZ1日4gを原則として14日間点滴静注し, 治療効果, 副作用, 有用性の両薬剤群間での比較をwell controlled studyにより実施した結果, 以下の結論を得た。
1. 呼吸器感染症に対するCZX 1日2gの治療効果とCEZ1日4gの治療効果の間に推計学的な有意差は認められない。
2. 対象患者よりマイコブラズマ抗体価上昇例, 寒冷凝集反応陽性例を除外すると, CZX 1日2gの治療効果はCEZ 1日4gよりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。
3. 肺炎・肺化膿症では治療開始3日後の喀疾量の改善度がCEZ投与群においてすくれ, また肺炎・肺化膿症以外の呼吸器感染症では治療開始14日後の喀疾量の改警度がCEZ投与群においてすぐれ, それぞれ有意差が認められる。
4. 起炎菌を確認し得た症例において, CZX投与群の菌消失率がCEZ投与群よりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。
5. 副作用の出現頻度には, 両薬剤群間に有意差が認められない。
以上, 細菌性呼吸器感染症に対してCZX 1日2gはCEZ 1日4gよりすぐれた治療効果を挙げ得るものと考えられる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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