CHEMOTHERAPY
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29 巻, 9 号
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  • Ceftizoxime 4gとCefazolin 4gの二重盲検法による比較
    塩田 憲三他
    1981 年 29 巻 9 号 p. 939-993
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症に対するCeftizoxime (FK749, 以下CZXと略す) とCefazolin (以下CEZと略す) の治療効果ならびに副作用の客観的な比較検討を目的として, 全国31施設において肺炎あるいは慢性呼吸器感染症患者228例にCZXあるいはCEZをそれぞれ1日49 (1回29ずつ1日2回), 原則として14日間点滴静注を行ない, 治療効果, 副作用, 有用性の両薬剤群間での比較を二重盲検法により実施した結果, 以下の結論を得た。
    1. 呼吸器感染症に対するCZX 1日49の治療効果とCEZ 1日49の治療効果の間には推計学的な有意差を認めない。
    2. 肺炎・肺化膿症では治療開始3日後の胸部ラ音の改善度がCZX投与群においてすぐれ, 治療開始14日後のCRPの改善度がCEZ投与群においてすぐれ, また肺炎・肺化膿症以外の呼吸器感染症では治療開始3日後の赤沈値の改善度がCZX投与群においてすぐれ, それぞれ有意差が認められる。
    3. 起炎菌を確認し得た症例における細菌学的効果には両薬剤群間に有意差を認めない。
    4. CZX投与群に発熱症例が有意に多数認められた結果, 両薬剤群の副作用出現頻度に有意差が認められる (なお, CZX投与群に多発した発熱の原因は, その後の検索により, 極く微量の不純物の混入によることが判明した)。
    5. 有用性について, 両薬剤群間に有意差は認められない。
    以上, CZX 1日4gはCEZ 1日4gにほぼ匹敵する効果が得られたが, 試験薬剤固有の副作用ではない発熱が高頻度に発生したため両薬剤の有効性と安全性を適確に比較することは不可能と考えられた。
  • Ceftizpxime 2gとCefazolin 4gのWell Controlled Studyによる比較
    塩田 憲三他
    1981 年 29 巻 9 号 p. 994-1043
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症に対するCeftizoxime (FK749, 以下CZXと略す) とCefazolin (以下CEZと略す) の治療効果ならびに副作用の客観的な比較検討を目的として, 全国33施設において慢性呼吸器感染症あるいは肺炎患者230例にCZX1日2gあるいはCEZ1日4gを原則として14日間点滴静注し, 治療効果, 副作用, 有用性の両薬剤群間での比較をwell controlled studyにより実施した結果, 以下の結論を得た。
    1. 呼吸器感染症に対するCZX 1日2gの治療効果とCEZ1日4gの治療効果の間に推計学的な有意差は認められない。
    2. 対象患者よりマイコブラズマ抗体価上昇例, 寒冷凝集反応陽性例を除外すると, CZX 1日2gの治療効果はCEZ 1日4gよりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。
    3. 肺炎・肺化膿症では治療開始3日後の喀疾量の改善度がCEZ投与群においてすくれ, また肺炎・肺化膿症以外の呼吸器感染症では治療開始14日後の喀疾量の改警度がCEZ投与群においてすぐれ, それぞれ有意差が認められる。
    4. 起炎菌を確認し得た症例において, CZX投与群の菌消失率がCEZ投与群よりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。
    5. 副作用の出現頻度には, 両薬剤群間に有意差が認められない。
    以上, 細菌性呼吸器感染症に対してCZX 1日2gはCEZ 1日4gよりすぐれた治療効果を挙げ得るものと考えられる。
  • 妊娠前および妊娠初期投与試験
    斎藤 太郎, 辻谷 典彦, 大内 勝, 松本 朋徳
    1981 年 29 巻 9 号 p. 1044-1050
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Polypeptide系抗生物質であるsodium celistin methanesulfonate (CLM) の安全性研究の一環として, 生殖に対する影養を検討する目的で, 妊娠前および妊娠初期投与試験を, ICR-JCL系マウスを用いて行なった。CLMは60, 125および250mg/kgを, 雄には交配前63日間と交配期間中, 雌には交配前14日間と交配期間中および妊娠6日目まで, それぞれ静脈内に投与し, 次に述べる結果を得た。
    1. 雌雄マウスの一般状態, 体重, 摂餌量, 交尾率および妊娠率に対し, CLMは影養を及ぼさなかった。
    2. 妊娠母体の一般状態, 摂餌量に対し, CLMは影響を及ぼさなかったが, 母体体重はCLM125および250mg/kg投与群で増加の増強が認められた。
    3. 妊娠末期胎仔の観察において, 着床数, 生存胎仔数, 吸収胚数および性比には, 対照群と比較して著しい差を認めなかったが, 生存胎仔体重および胎盤重量は, CLM125および250mg/kg投与群で増加が認められた。また.胎仔の外形異常, 内臓具常および骨格異常の発現ならびに化骨進行状態に対しては, CLMは影響を及ぼさなかった。
    以上のことより, CLMは60mg/kg以下の用量では, 妊娠前および妊娠初期の投与においては, 雌雄マウスの生殖機能ならびに胎仔にほとんど影響を及ぼさないと考える。
  • 器官形成期投与試験
    斉藤 太郎, 辻谷 典彦, 大内 勝, 松本 朋徳
    1981 年 29 巻 9 号 p. 1051-1061
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Sodium colistin methanesulfonate (CLM) の安全性研究の一環として, 生殖に対する影響を検討する目的で, 器官形成期投与試験をICR-JCL系マウスを用いて行なった。CLMは125, 250および500mg/kgを, 妊娠6日より15日までの10日間雌マウスにそれぞれ静脈内投与し, 次に述べる結果を得た。
    1. 妊娠母体の一般状態, 体重および摂餌量に対し, CLMは影響を及ぼさなかった。
    2. 妊娠末期胎仔の観察において, 着床数, 生存胎仔数, 生存胎仔体重, 性比, 吸収胚数および胎盤重量にCLMの影響は認められず, また胎仔の外形異常, 内臓異常および骨格異常の発現の上昇も認められなかった。しかし, 化骨状態に対しては, 250および500mg/kg投与群で, 頸椎と尾椎の化骨遅延が認められた。
    3. 自然分娩群の観察において, 妊娠期間, 生存仔数, 生存仔体重, 性比, 着床痕数, 母体の分娩率および哺育状態に対し, CLMの影響は認められず, 死産仔および生存仔の外形異常の発現にも影響は認められなかった。
    4. 新生仔の成長および発育・分化にCLMの影響は認められなかった。
    5. 新生仔の生後の機能および行動観察では, 感覚機能, 神経・筋能力, 情緒性および学習能力において, CLMの影響は認められなかった。しかし, 250および500mg/kg投与群の雌雄において, 自発運動の減少が認められた。
    以上のことより, CLMのマウス器官形成期投与試験での最大無作用量は125mg/kgであると推定される。
  • ゲンタマイシンに関する基礎的検討
    松田 聖士, 加藤 直樹, 坂 義人, 河田 幸道, 西浦 常雄
    1981 年 29 巻 9 号 p. 1062-1067
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (GM) の血中濃度測定としてimmunoassayと蛍光偏光測定法を組み合せた新しい測定法を開発した。今回は本法に関する基礎的な各種の検肘を行ない, 抗原, 抗体の添加量, 反応時間, 反応温度, 反応時のpHなどに関して至適条件を求め。さらに濃度測定域。生物学組測定法との相関性, 検体保存の条件および交叉反応性などについても検討を加えた。これらの検討により, 本法は微量の検体 (5μl) で簡便・迅速にGM濃度が測定でき, さらに生物学的測定法ともよく相関し, 他の多くの抗生物質とも交叉反応を示さないすぐれた測定法であることが判明した。本法を用いて実際にヒトの血中GM濃度を測定した場合にも生物学的測定法とよく一致し臨床応用の可能性が裏付けられた。
  • 1981 年 29 巻 9 号 p. 1068-1089
    発行日: 1981/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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