CHEMOTHERAPY
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新らしい合成抗菌薬1-Ethyl-6-fluoro-1, 4-dihydro-4-oxo-7-(1-piperazinyl)-3-quinolinecarboxylic acidの一般薬理作用
(II) 呼吸・循環系に対する作用
大久保 秀夫瀬川 満平山 隆士西納 啓吾
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1981 年 29 巻 Supplement4 号 p. 985-1001

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抄録

AM-715の安全性研究の一環として, 一般薬理試験的に呼吸・循環系に対する作用およびその他の作用について検討した。
AM-715はモルモットの摘出心臓およびウサギの摘出耳介血管標本に対し100μgではほとんど影響を与えず, 1,000μgで心収縮力の抑制, 軽度の血管拡張を起した。急速静脈内注入によりラットでは10mg/kg, ウサギでは30mg/kgで明らかな血圧下降を起した。イヌにおいては, 1mg/kgにより著明な血圧下降が一部の動物にみられた反面, 10mg/kgによってもほとんど影響を受けない固体があった。また, AM-715をイヌに静脈内定速持続注入 (0.3%溶液, 1ml/min×60min) したところ, 6~16μg/mlの血漿中濃度に達したにもかかわらず1/8例に最大30mmHgの血圧低下を起したにすぎなかった.
AM-715は1,000mg/kg経口投与によってもcarrageenin浮腫, dextran浮腫, ストレス潰瘍, 胆汁分泌, 血糖値, 血液凝固時間に対して影響を与えなかったが, 200mg/kg皮下投与という大量で胃液分泌抑制を示した。
ラットにAM-715を1,000mg/kgという大量を経口投与すると尿量の減少, Na+/K+比の減少をみたが, 100mg/kgでは影響がみられなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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