CHEMOTHERAPY
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Cefotetan (YM09330) の基礎的, 臨床的検討
沢江 義郎岡田 薫竹森 紘一横田 英子
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1982 年 30 巻 Supplement1 号 p. 551-563

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抄録

新しく開発されたCephamycin系抗生物質であるCefotetan (CTT, YM09330) について, 基礎的・臨床的検討を行った。
Cefotetanの臨床分離菌に対する抗菌力 (MIC) を接種菌量が106 cells/mlのときの12.5μg/ml以下の占める割合でみると, S. aureus 80%, S. epidermidis 40%, S. faecalis 0%, E. coli 90%, K. pneumoniae 100%, Enterobacter sp.27%, S. mazcescens 42%, Proteus sp.100%, P. aeruginosa 0%で, 特に078μg/ml以下のものはE.coli 85%, K. pneumoniae 100%, Enterobacter sp.9%, S.mamscens 22%, Proteus sp.83%であった。
Cefotetanの0.5gおよび1.0gを3名の健康成人にcross overで静注したときの血中濃度は静注後15分に82.8と1407μg/mlで, 8時間後も9.1と16.3μg/mlが検出され, AUCは271と486h・μg/mlと明ちかなdose responseが認められた。また, T1/2は2.85と3.20時間と長いものであった。尿中回収率は2時間までが40%と34%, 8時間までが76%と66%と比較的良好であった。また, 尿中にはtautomerが約5%に認められた。
敗血症1例, 肺炎4例, 尿路感染症3例, 不明熱1例に, Cefotetan 1~2g/日, 4~25日間使用し, 有効5例, やや有効1例, 無効3例であった。副作用は特になく, 1例にGOT, GPTの軽度上昇が認められた。

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