CHEMOTHERAPY
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BRL25000 (Clavulanic acid-Amoxicillin) に関する基礎的・臨床的研究
国井 乙彦小松 喬渡部 迪男西谷 肇中辻 理子小原 博平山 雅清三輪 史郎
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1982 年 30 巻 Supplement2 号 p. 191-197

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抄録

新しいβ-lactamase阻害剤Potassium clavulanate (CVA) とAmoxicillin trihydrate (AMPC) の合剤であるBRL25000について検討を加えた。
臨床材料から分離した諸種グラム陰性桿菌101株の本剤に対する感受性を測定した。
E.coli 49株に対するAmoxicillinのMICは12株が12.5μg/mlで一つのピークをなしているが28株が200μg/ml以上であった。BRL25000のMICは28株において12.5~25μg/mlであり, Amoxicillin耐性株の多くが本剤に対し好感受性であった。Klebsiella 16株においても同様の傾向がみられ, AmoxicillinのMICが200μg/ml以上の14株中10株においてBRL25000のMICが12.5μg/ml以下であった。その他Proteus vulgaris, P.mirabilisなどでも類似の傾向がみられた。Pseudomonas aeruginosaではほとんどすべての株がAmoxicillinおよびBRL25000にMICが200μg/mlまたはそれ以上の耐性を示した。
高速液体クロマトグラフィによるAmoxicillinとClavulanic acidの分離定量を試み, 水溶液については可能であるが, 尿, 血清などの生体試料については種々検討を加えたが不充分の点があり今後さらに検討を要する。
臨床的には急性腎盂腎炎2例, 急性膀胱炎1例, 慢性膀胱炎1例, 気管支肺炎1例に使用し, 著効3例, 有効1例, やや有効1例で, 菌消失3例, 減少1例であった。1例で一過性にGOT, Al-Pの軽度上昇がみられたがそれ以外には特別の副作用は認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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