1983 年 31 巻 7 号 p. 717-722
1982年7月から同10月の間に都立台東病院泌尿器科を受診した男子淋菌性尿道炎34症例および臨床分離淋菌50株に対するCFXの臨床的・細菌学的検討を行なった。
淋菌50株中10株 (20%) のPPNGが認められ, この10株に対するPCGおよびCERのMICは, ほとんどが100μg/ml以上であった。一方, CFXのMICは, PPNG 10株を含む50株全株に対し. 0.2~6.25μg/mlの値を示し, 特にPPNGに対して優れた抗菌力を示した。
男子淋菌性尿道炎34症例に対しCFX 2g 1回筋注とprobenecid 1g経口投与の併用治療を行なったが, 治療成績は著効14例 (41%), 有効18例 (53%), 無効2例 (6%) で, 有効率は94%であった。特に, 8例のPPNGによる症例に対しては100%の有効率であった。
本剤による副作用は, 1例に軽度のshock様症状がみられたが, 特別な処置を必要とせず間もなく回復した。その他の症例には, 副作用は認められなかった。