抄録
今回, 私どもはヒトにおけるCeftazidime (CAZ, SN401) の胆汁中, 尿中排泄濃度の測定, ならびに外科領域における感染症の臨床例に本剤を使用し検討を行なった。胆汁中, 尿中排泄濃度測定は3例に施行した。CAZ 1.0gを60分かけて1回点滴静注し, 経時的に各濃度を検討した。投与量のほとんどが尿中から回収され, 胆汁からの回収率は1%未満であった。腎機能障害のある1例では尿中排泄の遅延がみられた。
外科的感染症6例に対し本剤の投与を行ったが, 有効1例, やや有効4例, 無効1例で, やや有効以上の有効率は83.3%であった。術後感染予防投与の3例ではいずれもやや有効であった。無効例はSalmonella菌が消失しなかった例である。副作用及び臨床検査値については, GOT, GPTの異常が数例がみられたが, ほとんど基礎疾患が原因と思われる異常であり, 1例においてのみ本剤との関係が疑われた。