CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazoneの臨床的検討
中川 圭一渡辺 健太郎小山 優中沢 浩亮川口 義明村田 一郎横沢 光博
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 247-251

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抄録

我々は, 臨床分離のE. coli, K. pneumoniae, Enterobacter cloacae, Enterobacter aerogenes, Citrobacter freundii, S. marcescens, P. aeruginosaの各種菌株に対するCefoperazoneのMICとSulbactam/CefoperazoneのMICを比較した。接種菌量106CFU/mlでは, これらすべての菌種において, CPZ耐性菌に対して本剤のMICが優れていることが認められた。本剤を使用した臨床例は肺炎5例, 慢性びまん性細気管支炎に合併した気管支肺炎2例, 陳旧性肺結核の二次感染1例, 急性胆のう炎2例, 胆のう摘出後の胆道炎1例, 敗血症1例の計12例である。投与量は1日2~69で, 1日2~3回の静注または点滴静注で, 期間は4~14日間である。臨床的効果は著効3例, 有効8例, やや有効1例であった。細菌学的には6例に検出されたS. pneumoniae, H. influenm, K. pneumoniae, S. aureus, E. coli, E. aerogenesがすべて消失されている。副作用は発疹下痢などの自・他覚的症状は全くなく, 一過性にAl-p, GOT, GPTが上昇したものが2例認められた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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