CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するLenampicillin (KBT-1585) の臨床的検討
中西 通泰倉沢 卓也丸井 康子前川 暢夫池田 宣昭小田 芳郎稲葉 宣雄松原 恒雄
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1984 年 32 巻 Supplement8 号 p. 332-336

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抄録

Lenampicinin (KBT-1585, LAPC) を1日量0.75~1.0gで18例の呼吸器感染症患者に投与し, 臨床効果, 副作用, 有用性を検討した。
臨床効果は, 著効3例, 有効10例, やや有効3例, 無効2例であった。副作用として1例に下痢が出現したが, 投与中止2日後には軽快した。
無効の2例のうち1例は, 両側性の広範な気管支拡張症で, 投与開始後に原因菌が緑膿菌であることが判明し, 14日間の投与で症状の改善がみられなかった。他の1例は糖尿病を基礎疾患にもっ難治の膿胸で, 数年前から入退院をくり返す患者で, 嫌気性菌が検出され, 24日間の投与で症状の改善がみられなかった。
臨床検査値の異常変動は認めなかった。
以上のことから, 軽症ないし中等度の呼吸器感染症に対する本剤の経口剤としての有用性が認められた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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