1984 年 32 巻 Supplement8 号 p. 337-346
新たに開発されたAmpicillinのプロドラッグであるLenampicillin (KBT-1585, LAPC) を52症例に投与し, 臨床的検討を行なった。投与方法は本剤を1回1錠 (250mg), 1日3ないし4回経口投与した。投与症例は呼吸器感染症43例 (急性咽頭炎6例, 急性扁桃腺炎2例, 急性気管支炎16例, 肺炎4例, 慢性気管支炎14例, びまん性汎細気管支炎1例), 尿路感染症8例 (急性単純性膀胱炎4例, 慢性膀胱炎2例, 急性腎盂腎炎2例), 急性大腸炎1例であり, 臨床的効果は呼吸器感染症では著効2例, 有効29例, やや有効6例, 無効5例, 脱落1例, 尿路感染症では有効5例, やや有効2例, 脱落1例, 腸管感染症1例は有効であった。臨床的副作用は認められなかった。臨床検査値異常としてGOT上昇1例, GPT上昇1例, GOT, GPTの上昇が2例認められたが重大なものはなかった。