CHEMOTHERAPY
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男子淋菌性尿道炎に対するCefmenoximeの臨床効果と細菌学的検討
岡崎 武二郎
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1985 年 33 巻 1 号 p. 45-52

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抄録

1983年8月より1984年5月までに都立台東病院泌尿器科を受診した男子淋菌性尿道炎患者を対象として, CMXおよびCZXの治療効果を検討し, 同時に臨床分離淋菌に対するPCG, CMX, CZXなどの抗菌力を測定した。
臨床分離淋菌145株中15株 (10.3%) がPPNGで, 130株はnon-PPNGであった。
淋菌145株に対するPCGのMICは, 0.0125~50μg/mlに分布していた。一方, CMXのMICは≦0.003~0.2μg/mlに, CZXのMICは≦0.003~0.05μg/mlに分布し, CMXおよびCZXはPPNGに対しても, non-PPNGに対しても優れた抗菌力を示した。
臨床的検討の治療方法は, すべてone shot療法で, CZX 0.5g筋注, CMX 0, 5g筋注, CMX 1g筋注, CMX 0.5g筋注とprobenecid 1g経口投与の4方法であった。
臨床効果は, CZX 0.5g投与27症例では著効7例 (25.9%), 有効18例, 無効2例で有効率は92.6%, CMX 0.5g投与8症例では著効1例, 有効2例, 無効5例で有効率は37.5%, CMX 1g投与30症例では著効10例 (33.3%), 有効19例, 無効1例で有効率は96.7%であった。一方, CMX 0.5gとpmbenecid 1g併用30症例では著効17例 (56.7%), 有効13例で有効率は100%であり, 最も優れた臨床成績を示した。
CMXおよびCZX one shot治療による副作用は, 全く認められなかった。

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