CHEMOTHERAPY
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Azthreonam (SQ 26, 776) の安全性研究 (第5報)
ラットにおける胎仔の器官形成期投与試験
古橋 忠和牛田 和夫佐藤 久美子仲吉 洋
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1985 年 33 巻 Supplement1 号 p. 203-218

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抄録

モノバクタム系抗生物質であるAzthreonam (以下AZT) の100mg/kg, 270mg/kgおよび750mg/kgをラットの器官形成期に静脈内投与し, 胎仔ならびに新生仔に対する影響を検討した。
母動物においては270mg/kg投与群および750mg/kg投与群で, 投与開始後に摂餌量の一過性の減少, 出産後に一過性の増加が, 750mg/kg投与群で投与開始時より分娩直後まで摂水量の増加がそれぞれみられた。また, 妊娠20日および分娩21日後の剖検では, ほぼ全検体投与群において盲腸の重量増加が認められた。
胎仔の観察では, 着床数, 生存および死胚率, 体重, 体長, 尾長, 外形, 内部臓器, 骨格の異常, 骨格変異, 骨化程度に検体投与の影響はみられなかった。
新生仔に関しては出生率, 生存率, 離乳率, 性比, 体重, 生後分化状態, 外形, 内部臓器, 骨格, 臓器重量, 機能, 行動, 学習, 生殖能力などに検体投与によると考えられる変動は認められなかった。
以上の結果より, 本実験条件下におけるラット胎仔の器官形成期投与試験では, AZTの無影響量は, 母動物では一過性の摂餌量の減少および盲腸重量の増加がみられたが270mg/kg, 次世代では750mg/kgと結論された。

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© 社団法人日本化学療法学会
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