CHEMOTHERAPY
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HBKの筋注時および点滴静注時における臨床的効果と基礎的検討
堀江 正宜藤広 茂林 秀治武田 明久坂 義人西浦 常雄山羽 正義磯貝 和俊篠田 孝
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1986 年 34 巻 Supplement1 号 p. 428-443

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抄録
新しく開発さ流アミノ配糖体系抗生物質HBKについて, 抗菌力, 吸収・排泄および臨床的検討を行ない, 下記の結果を得た。
1) 教室保存の標準株18株, ABPC耐性E.coli 100株, S.marcescens 28株およびP.aeruginosa 50株についてのHBKの抗菌力はGMと同程度でAMKよりは優れた成積であった。
2) HBK 100mg筋注時の血中濃度のpeakの平均は5.77μg/mlで, 6時間迄の尿中回収率の平均は約60%であった。
3) 複雑性尿路感染症12例に対してHBKを1日200mg筋注投与した臨床成績は, 有効1例, 無効11例であった。
4) 複雑性尿路感染症10に対するHBK点滴静注の検討では, 著効4例, 有効1例, 無効5例で総合有効率は50%であった。
5) 副作用の検討は23症例で行なったが, 自覚的副作用としては点滴静注例で軽い下痢を認めた。臨床検査成績では軽度のGOT上昇2例, GPT上昇1例およびAl-pase上昇1例を認めた。
以上の成績から本剤は複雑性尿路感染症に対して安全で有用な薬剤であると思われた.
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© 社団法人日本化学療法学会
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