1986 年 34 巻 Supplement3 号 p. 421-426
複雑性尿路感染症13例に対し, 新しいセフェム系抗生剤であるL-105を投与し, その臨床効果および副作用について検討した。投与方法は本剤1回1gを1日2回5日間静注とした。
これらの症例のうちでUTI薬効評価基準で判定可能であった8例に対する有効率は50.0%であったが, 無効例4例のうち3例は, 本剤の適応外である緑膿菌が起炎菌であった。
自他覚的副作用は認められず, 臨床検査値異常としては2例にtransaminascの上昇が認められたが, これらは本剤投与中止後改善した。