CHEMOTHERAPY
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抗生物質の併用療法に関する基礎的研究
Serratiaに対するβ-lactam剤とアミノ配糖体剤の併用
川原 元司
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1987 年 35 巻 11 号 p. 803-816

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抄録

β-lactam剤10種とアミノ配糖体剤 (AGs剤) 4種の計27の組み合わせで, 尿路から分離した Serratia marcescens (S. marcescens) 27株に対するin vitro併用効果をcheckerboard法により minimum fractional inhibitory concentration (FIC) indexを求め検討した。さらに併用効果を認めた株と標準株IFO12648株を用いて, sub-MICレベルのセフェム剤とGentamicin (GM) あういはAmikacin (AMK) の併用効果をtime kill curve法で検討するとともに, 走査電顕を用いて菌の形態変化を観察した。
minimum FIC indexの検討ではLatamoxef (LMOX) とGMの併用で24株 (89%) が0.5以下の相乗効果を示し平均minimum FIC indexは0.241と最小値を赤した。LMOX, Cefti zoxime (CZX), Cefmenoxirne (CMX), Cefbperazone (CPZ) とGM, AMK, Tobmmycin (TOB), Netilmicin (NTL) の組み合わせでは, CMXとTOBの併用で平均minimum FIC indexが0.565の値を示したが, その他の組み合わせでは, 0.5以下の優れた相乗効果を認めた。殺菌曲線におげる併用効果の検討ではsub-MICレベルの薬剤間の併用で, FIC indexに対応する併用効果と菌の形態変化が認められた。

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